ボルシャック・ドラゴンについて
クイズとは関係ありませんが、少し《ボルシャック・ドラゴン》について語ってみようと思います。
《ボルシャック・ドラゴン》。長い歴史を持つデュエルマスターズにおいて最古のドラゴンであり、もっとも知られたカードであるともいえるでしょう。
漫画版「デュエル・マスターズ」で主人公の「切札 勝舞」が使っていたことがその一因であることは間違いありません。


しかし「DM-01 拡張パック 第1弾」のパッケージに描かれているのは《メテオ・ドラゴン》でした。なぜ《ボルシャック・ドラゴン》ではなかったのでしょうか?
レアリティ
《ボルシャック・ドラゴン》 のレアリティはベリーレア、 《メテオ・ドラゴン》 がスーパーレアです。現在のパッケージに描かれているカードはすべてそのパックの最高レアリティカードとなっていますが、初期では必ずしもスーパーレアのカードが描かれているわけではありませんでした。
パッケージイラスト早見表
拡張弾 | パッケージイラスト | SR | VR | R | U | C |
DM-01 | メテオ・ドラゴン 超砲手ボルカノドン | 〇 | 〇 | |||
DM-02 | 大勇者「ふたつ牙」 | 〇 | ||||
DM-03 | 超竜ジャバハ | 〇 | ||||
DM-04 | 聖霊王アルカディアス 悪魔神バロム | 〇 | 〇 | |||
DM-05 | 神拳の超人 | 〇 | ||||
DM-06 | ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン | 〇 | ||||
DM-07 | 爆雷の求道者ガラ・ガンダール | 〇 | ||||
DM-08 | 超神龍バイラス・ゲイル | 〇 | ||||
DM-09 | 光器ペトローバ | 〇 | ||||
DM-10 | 無双竜機ボルバルザーク | 〇 | ||||
DM-11 | 炎舞闘士サピエント・アーク 斬神兵グランドルメス スカイフレーム・リザード | 〇 | 〇 | 〇 | ||
拡張弾 | パッケージイラスト | SR | VR | R | U | C |
早くも3弾でベリーレアがパッケージを飾っていることがわかります。
カード名
拡張パック 第1弾 火文明ホイルカード
カードナンバー | カード名 | 英単語 | 意味 |
S7/S10 | クリムゾン・ワイバーン | Crimson | 紅色 |
S8/S10 | メテオ・ドラゴン | Meteo | 流星 |
7/110 | ガトリング・ワイバーン | Gatling | 機関(銃) |
8/110 | ボルシャック・ドラゴン | ??? | 不明 |
他のカードが一般名詞であるのに対し、〈ボルシャック〉のみが造語になっています。
「アーマード・ワイバーン」は「一般名詞 + ワイバーン」が命名ルールであるのに対し、「アーマード・ドラゴン」は「造語 + ドラゴン」が命名ルールです。
【デッキ】スタートシリーズ ドラゴン & ワイバーン まとめ – DMvault
スタートシリーズを見返すと「一般名詞 + ドラゴン」のパターンは《メテオ・ドラゴン》《バルキリー・ドラゴン》のみですので《ボルシャック・ドラゴン》の方が一般的なネーミングであると言えます。
推測
なぜ「デュエルマスターズ」最初の商品である第1弾のパッケージを《メテオ・ドラゴン》が飾ったのか。それは《メテオ・ドラゴン》の名前が「わかりやすかったから」なのではないでしょうか。
「デュエルマスターズ」という商品を一番最初に買うのはユーザーではなく小売店です。第1弾を手に取った当時のユーザーはほとんどが漫画「デュエル・マスターズ」を読んでいたのだろうと思いますが、小売店は精々「漫画展開しているオモチャだ」という認識しかなく、当然のことながら漫画で活躍している《ボルシャック・ドラゴン》のことを知りません。「カード名」であり「クリーチャー名」であることも分からないでしょうし、覚えも悪いことでしょう。そういった配慮から「DM-01 拡張パック 第1弾」 のパッケージを飾るカードは分かりやすいネーミングのドラゴンになったのではないでしょうか。
同様に《バルキリー・ドラゴン》も「DMC-03 勝舞火炎強化拡張パック」という、新規形態商品である、初の内容完全固定パックのパッケージに描かれたドラゴンであり、命名ルールから外れていることに対する理由付けが可能です。


西のボルザードが咆哮する。
ちなみに《メテオ・ドラゴン》をデュエルマスターズの顔にするつもりがなかった根拠として、同弾に収録された《メテオザウルス》の存在があります。第2弾で早くも〈ボルシャック〉のみで《ボルシャック・ドラゴン》を想起させているのに対し、〈メテオ〉には特別な意味づけを行っていないことがわかります。
ベリーレアである理由


【デッキ】DMC-01 「勝舞火炎デッキ」 – DMvault
【デッキ】DMC-02 「黒城暗黒デッキ」 – DMvault
さて、《ボルシャック・ドラゴン》はといえば「DMC-01 勝舞火炎デッキ」にて再録ともにパッケージを飾っています。
同時期に発売したデッキを並べてみれば明らかですが、当時の構築済みデッキは「ベリーレア1枚」「レア4枚」で構築されています。つまりベリーレアであるということは「構築済みデッキの目玉になり得る」という特徴でもあったといえるのです。
「第1弾」は2002年5月30日、「勝舞火炎デッキ」は2002年12月19日発売と時期が近かったことからこの2つのパッケージは並んで販売されていたと思われますが、どちらにも《ボルシャック・ドラゴン》が描かれていた場合、見栄えが悪くなったであろうことも想像できます。


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余談ですが、昨今「ディスペクター」化したことで話題の《悪魔神バロム》《聖霊王アルカディアス》は対になるコマンド進化クリーチャーでしたが、〈バロム〉はスーパーレア、〈アルカディアス〉はベリーレア。 〈アルカディアス〉 はその後、構築済みデッキの目玉再録となりました。
結論
第1弾で《ボルシャック・ドラゴン》がパッケージを飾らなかった理由は
- 《メテオ・ドラゴン》の方が名前が分かりやすかったから。
- 構築済みデッキで目玉再録が決まっていたから。
なのではないでしょうか。
ちなみに第1弾のパッケージにはシールドに埋まった《超砲手ボルカノドン》も見えます。シールドトリガーでもないのにわざわざシールドに入っている様子が写っているのは少し不思議です。

実は〈ボルカノドン〉は「デュエルマスターズ第1弾」の発売より前にコロコロコミックの付録となった、一番最初のデュエルマスターズカードであり、当時の知名度はかなり高かったのです。
「あのカードの商品」という分かりやすさは《ボルシャック・ドラゴン》ではなく《超砲手ボルカノドン》が背負っていたのですね。
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